病院ブランディングの実践 - 人材の「知覚化」

人的対応は最も大切です。多くの医療機関が「医療は人なり」を診療理念として掲げていますが、これをブランディングに生かすためには、優れた人材を「「知覚化」」する必要があります。幸い病院は人材の宝庫です。特に名医には、全国的な知名度をもつ医師が少なくありません。さらにチーム医療が進む現在、知と経験の共有による「名医チーム」が増加することが期待されます。人材の「知覚化」では、今までの「自然発生的な評判情報」をすべてのステークスホルダーが知覚できるようにします。

経営トップをはじめ、看護師や技師を含めたさまざまなキーパーソンも対象となります。医療サービスは「人」が原点です。最先端の医療設備も大切ですが、選ばれる病院の条件が医療サービス提供者との信頼関係であることは変わりません。そこで問われるのが人材を活かす組織です。病院は通常、ピラミッド型で院長をトップとするヒエラルキーにより運営されています。上意下達のメリットがある反面、患者中心のサービス体制には不向きと言わざるを得ません。現場の医師や看護師、スタッフの判断で柔軟に対処する構造が求められるためです。患者を頂点に上司は現場スタッフが働きやすいようにサポートする逆ピラミッド型組織の構築です。

個々のさらなる人材育成では、専門的な知識や技能とともに、顧客との対話能力を育まねばなりません。腕さえよければ患者の信頼を得られる時代は過ぎています。情報開示が進み、知識を備えた患者が増えています。医師や看護師にとっては経験や専門知識はもちろんのこと、信頼して相談できる人間性が求められているのです。

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