病院ブランディングの実践 - 癒しの環境

機能の一方で、患者の癒しと安らぎをもたらす環境の「知覚化」も重要です。患者を取り巻く環境が悪いと、順調な回復が妨げられることが報告されています。癒しの環境が治ろうとする意欲を起こさせ、自己回復力を高めるためです。

癒しの環境の「知覚化」には、ハードとソフトがあります。ハードはインテリアや色彩をはじめ、照明や外光、アート、植栽、香り、音といった五感を快く刺激する要素があります。緑豊かな中庭や落ち着いた間接照明、センスのよい壁紙は患者の心を和ませてくれます。一方のソフトには食事やリハビリ、入浴、衣料、化粧、回想法などさまざまなプログラムがあります。ただし、個人的な好き嫌いもあるので、安易な導入には十分な注意が必要です。

ソフトで最も大切なのは医療従事者との言語系コミュニケーションです。医師や看護師をはじめ、薬剤師、療法士、検査技師、事務員などすべての人々との信頼関係が何よりも効果のある癒しをもたらすのです。

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